ヒアルロン酸注射は涙袋以外にも、シワを消す・くぼみ目を解消する・鼻を高くする・胸を大きくする・ほほをふくらませるなど様々な用途で使用されます。
様々な部位で注入されるということは、それだけニーズも多く、確立された治療ということが言えます。
「あなたはヒアルロン酸にはたくさんの種類があるのをしっていましたか?」
そこで、あなたが気になるヒアルロン酸の料金やリスク・そして種類ついて徹底的に見ていきましょう。
ヒアルロン酸注射は、クリニックよって料金は全く異なります。
「どうして同じヒアルロン酸でもクリニックよって料金が違うの?」
それは、ヒアルロン酸の使用量や種類によって、料金が異なるのとクリニックの方針により大きく料金が変わります。
皆さんは、クリニックで「ヒアルロン酸注射は、この料金になりますよ」と言われたら、「そうなんだ」と納得するかもしれませんが、もしかすると非常に高値でヒアルロン酸注射をされている可能性もあるのです。
「えー、そんなことがあるの?」
クリニックも利益を出さなければ運営できませんので、そのクリニックの方針や損益分岐点によりヒアルロン酸の料金を設定しています。
クリニックにより大きく料金が異なるのは、そういった理由なんです。
なるべく標準的な料金で注入できるクリニックを見つけることができれば幸いです。
ただし、種類などが明記されておらず、低料金の場合は、粗悪なヒアルロン酸の可能性もありますので注意が必要です。
ヒアルロン酸の種類・使用部位ごとの標準的料金などを記載していきますので、ヒアルロン酸注射を受けるクリニック選びの参考にしてください。
目次
ヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸は、真皮層の繊維芽細胞が生成しています。
元々、体内にあるものですが、美容外科で使用するヒアルロン酸は人工的に精製したムコ多糖類の一種です。
ヒアルロン酸の歴史は、1990年からヨーロッパの美容整形で使用されるようになりました。
それまでシワを消す治療は、コラーゲン注射が主流でしたが、アレルギー反応が出ることもあり、施術前のパッチテストなどが必要で、判定時間まで数日必要な治療でした。
アレルギー反応がほとんどないヒアルロン酸が登場し、爆発的な人気となり、世界中に広まり、日本でも1990年代後半より多くの美容整形で使用されるようになりました。
整形外科(骨折などの整形)で使用されている「関節に注射するヒアルロン酸」とは違います。
整形外科で使用されるヒアルロン酸注射は、関節の動きを滑らかにするための潤滑剤として使用することが目的です。
一方、美容整形で使用するヒアルロン酸は、粒子状になっているものが多く、シワ解消や鼻を高くするなど、ボュームを出せるように製品化されました。
もう一つの特長は、ヒアルロン酸の持続期間(無くなるまでの期間)がコラーゲンや関節用ヒアルロン酸に比べ大幅に長いことです。
現在は2年ほど持続するヒアルロン酸注射もあります。
ヒアルロン酸の役割
- 肌の弾力を保つ
- シワやくぼみに注入することでボリュームを出す
- 肌の潤いを保つ
- 関節の動きを滑らかにし、痛みを緩和する
- 眼精疲労回復
- 目の乾き改善
ヒアルロン酸はどこに注射するの?
- 涙袋を作る
- 目の下の深いシワを改善する
- くぼみ目やクマを改善する
- 唇に注入し、アヒル口やふっくら唇にする
- 頬に注入し、こけた頬を改善する
- ほうれい線のシワを解消する
- 鼻を高くする
- アゴをシャープにする
- 胸に注入し、バストアップする
ヒアルロン酸の種類と使用部位
ヒアルロン酸注射は、注入する部位により、ヒアルロン酸の種類を使い分けます。
皆様が希望する部位にどの種類のヒアルロン酸が標準的なのか確認ください。
部位により細かくヒアルロン酸を使い分けるクリニックは、それだけヒアルロン酸注射に長けていることがわかります。
もし、受診するクリニックにあなたが希望する部位に使用するヒアルロン酸がなければ、どんなに料金が安くても、そのクリニックでのヒアルロン酸注射は避けた方がよいです。
治療後トラブルの元になります。
もちろん、ヒアルロン酸の種類を明記していないクリニックは問題外です。
粗悪なヒアルロン酸を使用している可能性がありますので信用できません。
では、ヒアルロン酸の主な注入部位別にヒアルロン酸をわけてその特長を説明していきます。
「製造国」・「安全性の基準である国の承認(各国の厚労省)」・「ヒアルロン酸の特長」・「ヒアルロン酸の持続期間(どれくらいでなくなるか)」を製品別にまとめましたので参考にしてください。
1.鼻を高くする・アゴをシャープにする
特徴
硬めのヒアルロン酸で粒子も大きく、持続期間(ヒアルロン酸が無くなるまでの期間)が長いのが特徴です。
また、ボリュームを出したい部位にも向いています。
ほうれい線などシワに使用するヒアルロン酸でも代用できますが、「鼻を高くする」ためのヒアルロン酸は少し硬めで持続力が長い方がお得です。
製造国:スウェーデン
認可:CE承認・FDA承認
特徴:日本で使用されるヒアルロン酸の最古参の一つです。厚労省の認可がおりています。
持続期間は6ヶ月~8カ月ほどです。
製造国:フランス
認可:CE承認・FDA承認
特徴:発酵により生成された非動物性のヒアルロン酸で、硬さが違う数種類のヒアルロン酸がありますので用途に応じ、使い分けることが出来ます。
2014年に厚労省の認可も取得し、安全性にもすぐれています。
ジュビダームシリーズのボリューマは鼻を高くしたり、ほほを膨らませる・アゴをシャープにする目的で使用するのにすぐれています。
持続期間2年とかなり長いです。
製造国:フランス
認可:CE承認
特徴:粒子が硬いのが特徴です。ボリュームを出すのに最適です。
ヨーロッパで使用されているヒアルロン酸です。
持続期間は1年半です。
製造国:ドイツ
認可:FDA
特徴:ベロテロはいくつの種類があり、用途に応じ使い分けます。
「多重高密度マトリクス」というヒアルロン酸架橋構造をもつベロテロ(旧:エセリス)は、微粒子もない、完全に均一な新タイプの第四世代のヒアルロン酸です。
ベロテロボリュームの持続期間は1年半です。
製造国:カナダ
認可:CE
特徴:リバネッセシリーズはいくつかの種類があり、用途に応じ、使い分けます。
特徴的な分子構造なので、持続期間が長いです。また、肌に潤いを出すなどの美肌効果もあります。
リバネッセシリーズウルトラの持続期間は1年です
製造国:スイス
認可:CE承認
特徴:テオシアルシリーズは種類が最も豊富でいくつか粒子の違うヒアルロン酸があります。
浅いシワから、くぼみ等のボリュームが必要となるものまで、用途に応じ、使い分けます。
100%動物由来ではないので非常に安全性にすぐれています。
テオシアルシリーズのウルトラディープの持続期間は1年です。
。
製造国:韓国
認可:FDA
特徴:ヒアルロン酸濃度が50mg/mlとすべてのヒアルロン酸の中で最も高く、高濃度であるため、硬く吸収されにくい特徴があり、鼻やあごをシャープにしたい方に適したヒアルロン酸です。
クレヴィエルコントアの持続期間は1年半です。
2.ほうれい線・唇のボリューム・マリオネットライン・くぼみ目・ゴルゴ線
特徴
硬さ・粒子ともに中間的なヒアルロン酸で、オールマイティーにどの部位でも使用できます。
この辺りのヒアルロン酸はオーソドックスですので、何種類か用意しているクリニックが多いです。
下記で紹介するヒアルロン酸の取り扱いがないクリニックでの施術は、避けた方がよいです。
製造国:スウェーデン
認可:CE承認・FDA承認
特徴:日本で使用されるヒアルロン酸の最古参の一つです。
厚労省の認可がおりております。
持続期間は6ヶ月~8カ月ほどです。
製造国:スイス
認可:CE承認 特徴:テオシアルシリーズは種類が最も豊富でいくつか粒子の違うヒアルロン酸があります。
浅いシワから、くぼみ等のボリュームが必要となるものまで、用途に応じ、使い分けます。
100%動物由来ではないので非常に安全性にすぐれています。
テオシアルシリーズのグローバルアクションの持続期間は9ヶ月です。
製造国:フランス
認可:CE承認・FDA承認
特徴:発酵により生成された非動物性のヒアルロン酸で、硬さが違う数種類のヒアルロン酸がありますので用途に応じ、使い分けることが出来ます。
2014年に厚労省の認可も取得し、安全性にもすぐれています。
ジュビダームシリーズのウルトラプラスXCはほうれい線のシワ・目の下のシワ・くぼみ目修正・涙袋形成・唇を膨らませるなど万能型タイプのヒアルロン酸です。
持続期間1年となります。
認可:FDA
特徴:ベロテロはいくつの種類があり、用途に応じ使い分けます。
「多重高密度マトリクス」というヒアルロン酸架橋構造をもつベロテロ(旧:エセリス)は、微粒子もない、完全に均一な新タイプの第四世代のヒアルロン酸です。
ベロテロバランスの持続期間は1年です。
製造国:カナダ
認可:CE
特徴:リバネッセシリーズはいくつかの種類があり、用途に応じ、使い分けます。
特徴的な分子構造なので、持続期間が長いです。また、肌に潤いを出すなどの美肌効果もあります。
リバネッセシリーズウルトラの持続期間は6ヶ月です
製造国:フランス
認可:CE承認・FDA承認 特徴:スタイレージシリーズはいくつかの種類があります。
用途に応じ使い分けていきます。ヒアルロン酸粒子が水素結合によりつながっており非常に滑らかです。
スタイレージMの持続期間は1年です。
3.目の下のシワ・首のシワ・額のシワ・浅いほうれい線
特徴
比較的柔らかく、粒子の細かいヒアルロン酸もしくはゲル状のヒアルロン酸を使用することが多いです。
皮膚の薄部分や皮膚の上層部にヒアルロン酸を注入していくため、粒子が大きく硬いヒアルロン酸ですと、治療後ボコボコすることがあるので、皮膚の薄い部位専用に使用します。
製造国:スウェーデン
認可:CE承認・FDA承認
特徴:日本で使用されるヒアルロン酸の最古参の一つです。
厚労省の認可がおりております。
持続期間は4カ月ほどです。
製造国:フランス
認可:CE承認・FDA承認
特徴:スタイレージシリーズはいくつかの種類があり、用途に応じ使い分けていきます。
ヒアルロン酸粒子が水素結合によりつながっており非常に滑らかです。
スタイレージSの持続期間は9ヶ月です。
。
製造国:ドイツ
認可:FDA
特徴:ベロテロはいくつの種類があり、用途に応じ使い分けます。
「多重高密度マトリクス」というヒアルロン酸架橋構造をもつベロテロ(旧:エセリス)は、微粒子もない、完全に均一な新タイプの第四世代のヒアルロン酸です。
ベロテロソフトの持続期間は1年です。
製造国:アメリカ
認可:CE・FDA
特徴:水和性(ハイドレーション)が高く、注入後の腫れが少ないため、注入直後の膨らみがほとんどそのまま施術後の仕上がりになります。
持続期間は6ヶ月となります。
製造国:スイス
認可:CE承認
特徴:テオシアルシリーズは種類が最も豊富でいくつか粒子の違うヒアルロン酸があります。
浅いシワから、くぼみ等のボリュームが必要となるものまで、用途に応じ、使い分けます。
100%動物由来ではないので非常に安全性にすぐれています。
テオシアルシリーズのファーストラインの持続期間は6ヶ月です。
4.バストアップ
バストアップ用のヒアルロン酸は、量を多量に使用するため、できるだけコストが安く持続期間(ヒアルロン酸が無くなるまでの期間)が重要です。
バストアップ用のヒアルロン酸は他の部位にはあまりむいていませんので、バストアップ専用として使用されます。
製造国:ドイツ
認可:CE
特徴:通常のヒアルロン酸に比べ粒子が10倍も大きいので、吸収が遅く持続期間が長いためバストアップ用として使用されます。
持続期間は2年です。(もっと長く持つと言われるドクターもいます)
製造国:スウェーデン
認可:CE承認・FDA承認
特徴:通常のヒアルロン酸に比べ粒子が10倍も大きいので、吸収が遅く持続期間が長いためバストアップ用として使用されます。
持続期間は2年です。
ヒアルロン酸注射の使用量と料金の目安
ヒアルロン酸は、用途に応じ、使用量が異なってきます。使用量が異なれば料金も変わります。ここでは、用途別の使用量と料金の目安を紹介していきます。
使用量:0.4㏄~0.6㏄(両目)
料金:2万円~4万円
使用量:1cc~1.5cc(両目)
料金4万円~8万円
使用量:1㏄(片側)
料金4万円~8万円
使用量:4㏄~10㏄(両ほほ)
料金15万円~20万円
使用量:1㏄~2㏄(左右両方のシワ)
料金4万円~10万円
使用量:1㏄
料金4万円~8万円
使用量:50㏄~200㏄(両胸)
料金20万円~80万円
今回は部位別でおおよその使用量から平均的な料金を算出しました。
ヒアルロン酸の種類により若干料金が異なりますのでご了承下さい。
大幅に料金が違う場合は、もしかすると明記のヒアルロン酸以外を使用している可能性もありますので、疑わしい場合は、現物のヒアルロン酸を見せてもらいましょう。
ヒアルロン酸注射の痛み
注射ですのである程度痛みがあります。
しかし、クリニックより、痛み緩和に力を注いでいるクリニックが多いです。
これにより、だいぶ痛みも少なく楽にヒアルロン酸注射を受けることができます。
- クーリングにて注射
何もしないよりいいですが、やはり痛いです。
- 麻酔クリームや麻酔テープの使用
韓国製などの強い麻酔クリームなどもあり、かなり痛みの緩和ができます。
- 笑気ガスなどの吸う麻酔を使用
笑気ガスを吸うとボーっとした感じになり、痛みの感覚が鈍くなります。
治療後はすぐに醒めます。
- ブロック麻酔
痛みはほとんど感じませんが、ブロック麻酔自体が注射ですので、それが少し痛いです。
- 合わせ技で痛み緩和
塗る麻酔・笑気ガスの両方で対策することにより、痛みはかなり緩和できます。このような対応をしてもらえるかクリニックにお尋ねください。
ヒアルロン酸注射後のダウンタイム
注射後は、内出血による赤味や腫れがでることがございます。
でた場合は、2日から7日ほどで消失します。
通常は、メイクなどでカバーできますが、カバーできないくらい内出血がでることもございます。
医師の技量もありますが、たまたま、毛細血管に触れてしまい、内出血が強く出現することもあります。
- 内出血・赤味:1日~3日
- 腫れ:1日~3日
- 治療後の痛み:1日~3日
- 硬さ:1週間
- 洗顔:当日より可能
- メイク:当日より可能
- 入浴:当日より可能
- 運動:当日より可能
内出血・腫れ対策
ヒアルロン酸注射による内出血や痛みの予防のため、針先が丸くなっているカニューレ(ミラーカニューレ)を使用するクリニックもあります。
針の先端が丸くなっているので、組織に最小限の傷で注入できるので、内出血が抑えられる他に、痛みの軽減・腫れの軽減にもなりますので、取り扱っているかクリニックに確認してみてください。
別途料金がかかる場合もございます。
また、万が一、ヒアルロン酸注入後、仕上がりに不満がある場合は、ヒアルロン酸を溶かすこともできますのでご安心ください。

ヒアルロン酸溶解剤
仕上がりの不満は、まずは、クリニックで相談してから、溶かすかどうかご相談ください。
まとめ
ヒアルロン酸の注入は、ヒアルロン酸の種類・用途別の使用量・クリニックの方針により、料金は異なります。
標準的な料金より、安ければそれにこしたことはありません。
しかし、クリニックよっては、仕入れ値が安い、粗悪なヒアルロン酸を使用しているところも残念ながらあります。
クリニックのHPをしっかり見たり、問い合わせをして、ヒアルロン酸の種類・用途別の使用量などをお確認してから受診してください。
また、稀に注射後、腫れや内出血がでる場合もございますので、そちらの対策体制はあるのか?なども確認したほうがよいでしょう。
ヒアルロン酸注射は、しっかり理解すると、安全で非常に効果が高い治療です。
美容外科や美容皮膚科ではとても人気の治療の一つで、多くの方が施術しています。
是非、あなたも、この記事を参考にして、ヒアルロン酸注射で美容外科デビューしてみてはいかがでしょうか?